モンゴルの草原とゲルの写真です

こんにちは、Saranaです。

今回は、モンゴルと内モンゴルの中でも特に大きな違いである”文字”、特に内モンゴル自治区に焦点を当ててみたいと思います。

 

内モンゴルで使われている文字

伝統モンゴル文字

内モンゴルは中国の一地域ですが、モンゴル族が使っているのは今でも昔ながらの伝統モンゴル文字です。上の写真の左上の縦書き文字が ”伝統モンゴル文字”です。

伝統モンゴル文字は内モンゴル自治区内では必ず表記されています。伝統モンゴル文字だけを表記している店は見たことないですが、漢字と一緒に書かれています。キリル文字は街中にはありませんし、読める人も少ないです。

内モンゴル自治区に限らず、少数民族に独特の文字がある場合、漢字の何割の大きさで表記する…という決まりがあるようなのですが、個人の感覚では、都会は小さく田舎は大きいっていう印象です。

ただ、中国国内での漢民族の割合が9割を超えていますので、内モンゴル自治区内であっても漢民族が圧倒的に多いです。しかも都会に行けば行くほど漢民族が多くなります。

ですから都会に住む人の中には伝統モンゴル文字が読めないという人がいますし、モンゴル族であっても、漢民族の中で生活している人の中には中国語しかできないという人もいます。

旅行者にとっては、伝統モンゴル文字を見たいなら飛行場についた途端に見れますので、探す必要はありません。初見では模様にしか見えませんが…。

では、伝統モンゴル文字とはどういう文字なのでしょうか?

伝統モンゴル文字ってどんな文字?

上の写真を見ていただければわかりますが、縦書きです。日本語の縦書きと違うのが、左から読むということです。1文字ずつではなく、単語ごとに続けて書きます。

書き方ですが、真ん中に一本の線が通るように書くのが、キレイに書く秘訣です。小さい子の習い始めの時は縦5本線を使いますが、だんだん3本線、1本線に減らしていきます。

ちょっとややこしいのが、書き言葉と話し言葉が違うときがあるらしく、そのまま読んでいいのかわからない時があることです。ネイティブによると、”法則があるので慣れたら大丈夫”らしいです。

日本語でいうと古文の書き言葉と読み方の違いみたいなものです。
例えば…
たまふ ⇒ たもう
てふてふ ⇒ ちょうちょう

みたいなものです…たぶん…。

そして同じ文字なのに読み方が違う母音があります。これは、モンゴル語には男性形(陽性)、女性形(隠性)、中性形(中性)があり、一つの単語に絶対に被らない母音があるから、同じ書き方でいいだろう…という考え方なのかもしれません。( )の中は内モンゴルでの言い方です。

書くのも、読むのも、慣れが必要みたいです。

上の写真は伝統モンゴル文字のキーボードです。文字の横に数字がついている理由は、4と5、6と7の母音が同じ文字になることが多く、間違えやすいからです。

どうやって学んでるの?

親がどちらもモンゴル族なら自然と話せるようになりますが、基礎的な読み書きは学校で勉強します。

どの学校でも勉強できるわけではなく、モンゴル族優先で入れるモンゴル小学校があり、そこにはモンゴル族と漢民族の先生がいます。そこでモンゴル文字を基礎から勉強することができます。

もしモンゴル小学校に漢民族が入るとしても、モンゴル語は学ばないようです。クラスが分けられて、モンゴル族だけがモンゴル語を学ぶようになっていると聞きました。

内モンゴル自治区にある大学の学科でモンゴル語を専攻すると、もっと専門的なことが学べます。

ちなみに…

モンゴル小学校の周りにはモンゴル族が経営している文房具屋さんもありますので、誰でも手軽に勉強用のドリルを買うことができます。

あとは大きな図書館に行くとモンゴル語のコーナーがありますので、そこで絵本から学生用のドリル、大人用の書籍などを買うことができます。ただし、伝統モンゴル語のみの本、もしくは中国語でモンゴル語を学ぶ…という形式ですので、独学で一から学ぶのは難しいかもしれません。

モンゴル国で使われている文字の方が初心者向きですし、YouTubeでも日本語で学べる動画がたくさんUPされていますので、興味がある方はまずそちらをご覧になる方が比較的簡単です。

モンゴル国で使われている文字についての解説はこちらから。

 

最後に…

記事を最後までご覧いただき、ありがとうございました。

これからもモンゴルや内モンゴルのことを個人的な視点からご紹介できればと思います。

Sarana